立甲
ボルダリングの楢崎選手や水泳背泳の入江選手、野球の佐々木郎希選手などの肩甲骨の可動域はとても広いです。
トップアスリートの多くは肩甲骨を肋骨から引き剥がして動かせる事で動きがしなやかになり身体が連動しています。
メッシやネイマールも肩甲骨の使い方がとても上手いのであれだけのプレーができると以前本で読んだ事があります。
肩甲骨を肋骨から引き剥がして可動域を広げるには立甲をできるようにしましょう。
立甲とは肩甲骨と上腕骨が一直線に繋がり肩甲骨が背中から上方に30度以上立ち上がる事を言います。
イメージ的にはチーターや猫などの動物を思い浮かべて下さい、動いている時に肩甲骨が手足と連動して柔らかか動いています。
チーターや猫がしなやかに素早く動けるのには肩甲骨が人間とは比べ物にならない位可動域が広いからかも知れませんね。
立甲で肩甲骨と腕の角度を限りなく一致させて動かせるようになると肩甲骨の自由度が上がり体幹の広い範囲の筋肉を使えるようになります。
立甲できていないと腕や肩を大きく動かす時に肋骨や背骨も一緒に動いてしまいブレが生じます。
肩甲骨が肋骨から自由になると腕や肩を動かした際に肋骨や背骨がブレなくなるので体幹も安定して体幹からの力を無駄なく活かすことができます。
それに加え肩甲骨の可動域が増すと腕全体をしなやかに力強く使えるようになり、腕に余分な力が入らなくなるので肩や肘にかかる負担が減り怪我や疲労も少なくなります。
立甲をできるようになるには前鋸筋と言う筋肉が重要です。
前鋸筋は肋骨から肩甲骨の裏に向かってのこぎりのように付いている筋肉です、腕や肩甲骨を前に押し出す様に動かす時に働きます。
前鋸筋は腹部側だとインナーマッスルである外腹斜筋や内腹斜筋と繋がっていて、背面では肩甲骨の下を通る広背筋や広背筋と繋がりのある大臀筋とも連結しているので立甲ができる様になるとインナーマッスルが安定し前後の筋肉が連動しやすくなります。
立甲を行う前にまず腕や肩のストレッチを行いましょう、腕や肩の柔軟性が高い方が立甲しやすくなります。
まずは手首と腕のストレッチです。
手を逆さまにして手のひらを床につき腕の内側をストレッチします。
次は手の甲を床につき腕の外側をストレッチします、この時肘のくぼみが前に向く様にストレッチしましょう。
立甲を行う際に四つ這いになりますが手首や腕が硬いと手首が痛くなるのでしっかりストレッチして下さい。
次は肩甲骨の外側、写真で触っている脇の部分を触りながら腕を回して下さい。
立甲の時脇を締めながらこの触っている部分を意識して行うとやりやすいです。
最後は腕を前に出してお祈りの様なポーズになり脇の下をストレッチします、この時背骨をしならせる様にストレッチして下さい。
背骨がしならないと動きが硬くなり筋肉の連動性が無くなってしまいますし立甲も上手くできません。
さて腕や脇のストレッチをしたら四つ這いになりましょう。
この時肘のくぼみが前に向けて下さい、肘のくぼみを前に向けると自然と脇が締まり前鋸筋が機能しやすくなります。
脇を締めながら四つ這いになったら肩甲骨は寄せずに開いたまま胸を下に落とす様に脱力します。
肩甲骨を寄せてしまうと僧帽筋や三角筋に力が入ってしまい前鋸筋が動きません。
肩甲骨を開いた状態で四つ這いになったら手のひらで床を押しながら肩甲骨の裏側を意識します、それが出来たら体を左右に動かして片方の腕に体重を乗せます。
肩を手首より前に出すと立甲の感覚が掴みやすいです。
最初から肩甲骨の内側が浮かび上がる方はいないと思いますが続けていくと肩甲骨の内側が浮かび上がる感覚がわかると思います。
立甲の際のポイントは
・肘のくぼみを前に向ける
・脇を締める
・床を押す際に肩甲骨の裏を意識する
・肩甲骨は寄せない、開く
立甲を始めて1週間くらいは手首が痛くなったり肩甲骨周囲が筋肉痛の様な痛みが出る場合があります、手首が痛くなるのは腕が硬いのが原因ですし肩甲骨周囲が筋肉痛になるのは普段から肩甲骨が動いていてない証です。
肩こりがある方は腕や手首が硬いので腕のストレッチは習慣にしましょう。
自分もまだ立甲を始めてから2週間くらいで左はだいぶ動きますが右の肩甲骨はまだだいぶ硬いのでこれからも精進していきます。
立甲はスポーツを行う人には出来て損はありません、コロナで自宅にいる時間が長いと思うので暇つぶしに立甲を行って下さい!